月次アーカイブ: 5月 2015

フルオロウラシルとは抗がん剤の一種です。
DNA、つまり細胞の合成に必要な物質のひとつにウラシルがあります。
フルオロウラシルは、このウラシルと非常に似た構造を持っています。
ですから、細胞が悪性腫瘍などで傷ついてしまった際、この薬を利用すれば細胞の傷つきを修復することができる、また抗腫瘍効果が期待できると言うわけです。
主に消化器系がん治療を中心として、医療現場で使用されています。
しかしこのフルオロウラシル、最近では美容業界からも注目を浴びています。
がんの中には、強い紫外線を浴び続けることなどで発生リスクが高くなる皮膚がんがあります。
その皮膚がんが初期状態の時には、フルオロウラシルやそれが入ったクリームが治療に用いられます。
しかし、がんに至らなくとも紫外線を浴びることのダメージは、たとえばシミやしわ、あるいは肌色の黒ずみなどの色素沈着と言った、いわば肌老化と言う非常になじみある形で肌にあらわれます。
と言うことは、そうしたシミやしわと言った紫外線ダメージもまた、フルオロウラシルが含まれたクリームで回復させることができるのではないか。
それを実証するために、アメリカのミシガン大学の教授らが、紫外線による肌老化、もしくは肌組織に軽度のダメージがある21人を対象に実験を行いました。
その結果、被験者全体で肌組織は高いレベルで回復しており、小じわや大きなしわ、シミや皮膚の色素沈着なども減少していたのです。
また、フルオロウラシルの含まれたクリームを使用し続けたことで、肌内部でも、傷などを修復させる効果があるとされている成分量が増加していたと言う変化が起きていました。
つまりフルオロウラシルは、肌老化に対し、肌の内部から働きかけ、効果をもたらすことが実証されたのです。
フルオロウラシルが美容業界から注目を浴びているのもこうした理由からで、今後は、美容用品にもこの成分が利用されることが期待されています。

フルオロウラシルは、元々皮膚がんや腫瘍を治療する成分として開発されましたが、ウラシルと似た構造を持っているため、投与するとウラシルの代わりにDNAに取り込まれます。ウラシルはDNAを合成する際に必要な物質でがん細胞の分裂にも関係していますが、代わりにウルオロウラシルが入り込むことでがん細胞の分裂を防ぎ、またDNA合成に関わる酵素も阻害してがん細胞の増殖を防ぐことができます。
こうした作用から、フルオロウラシルには肝斑を含むシミやほくろを薄くする美白効果も認められ、軟膏やクリームとして肌に塗ることでスキンケア効果が期待できます。コラーゲンの生成を促す作用もあり、しわの改善にも効果があると言われています。
フルオロウラシルを主成分とした軟膏としては5-FU軟膏(エフディックス)があり、フロニダクリームがそのジェネリック薬として販売されています。5-FU軟膏ではフルオロウラシルの濃度は5%ですが、フロニダクリームには1%のものもあり、敏感肌の人でも安心して使うことができます。まずはフロニダクリームで試してから、大丈夫ならフロニダクリーム5%もしくは5-FU軟膏に切り替える、というケースもあります。
フロニダクリームは1日2回、洗顔後に適量を患部に塗布します。副作用として使用後1週間、もしくは2週間ごろから赤みやかゆみ、痛みなどが生じます。3~4週目になると赤みが進んでひびわれも見えてきますが、4週間の使用期間を終えると新しい皮膚に再生され、赤みは治まります。なお、光過敏性皮膚炎、高色素沈着、その他の炎症などの症状が出た場合にはいったん使用を中止し、医師の診断を受けましょう。また成分に対して敏感な人、妊娠中・授乳中の人は使用を控えてください。